『津川絵理子作品集1』を読む
今、一番気になる作者は津川絵理子である。
ふらんす堂から出ている『津川絵理子作品集Ⅰ』は、俳人協会新人賞授賞の『和音』と星野立子賞と田中裕明賞授賞の『はじまりの樹』が一冊になりお得。
画家の祖父をもつ彼女は、年少の頃に毎日写生画を描いていたらしい。どの俳句も、情景が目に見えるように浮かんでくる。視点の定め方、対象の把握に訓練が感じられる。ユーモアも上品に句ににじみ出ている。
好きな句を各3句選んでみました。
『和音』から
「たくさんの吾が生まるるしやぼん玉」
「着地点まちがへまちがへ螇蚚跳ぶ」
「蘂といふ字のみつしりと梅の花」
『はじまりの樹』から
「音もなく窓濡れてゆく万年青の実」
「初箒まだ日当たらぬところより」
「朧夜の「父」と着信ありにけり」
角川書店「俳句」に投句。
携帯句会は、会場と3月テーマ(兼題)をメール。3月の題は①桜②卒業③三④自由題。