石田郷子と「背泳ぎ」

女性が続くが今回は、石田郷子である。
1958年、東京生まれ。父は「鶴」同人の石田勝彦。山田みづえに師事。第一句集『秋の顔』が、第20回俳人協会新人賞を授賞。平成16年に「椋」創刊。
同年なので親近感を持っている俳人である。


「背泳ぎの空のだんだんおそろしく」

『秋の顔』に所集の句。この句を最初に読んだ時は、おさまりのつかなさ、不安感を覚える句だと感じた。それは、背泳ぎが目的地を見ずに泳ぐ泳法だからか。見えるものは空ばかり。徐々に拡大する不安感。好きじゃないが、なんか引っ掛かる俳句である。

好きな句を数句上げてみる。


『秋の顔』より

「冬林檎言ひたいこともあるけれど」

「春の山たたいてここへ坐れよと」


『木の名前』より

「さへづりのだんだん吾を容れにけり」

「うごかざる一点がわれ青嵐」



ブログ開設して、今日で1か月。読んでくれた人、ありがとう。