伊吹山と天地融合
【自解・萩原2】
「稜線が白く溶け合い冬伊吹」
「冬曇天地一つに伊吹山」
勤務先は岐阜市なので、通勤電車の窓から伊吹山が眺められる。曇天の日の白い空と、雪の積もる伊吹山、天と地の境界が消えた情景を詠んだ。
「待合所マスク溢れて春遠し」
冬の病院の待合室は、マスクを着けた人で溢れている。感染予防の為お見舞いの場合も、マスクの着用が必要。
「桜の木芽吹く備えはととのえり」
散歩の折りに桜の木をみると、芽がだんだんと膨らんでいるのが分かる。開花の準備は着々と水面下で静かに進む。
「電車待つ顔ぶれかわり四月来る」
四月は新年度のスタート。人事異動の月でもある。通勤の電車を待つ場所は定位置があり、並ぶ顔ぶれは一緒。それが四月になると変化する。見慣れた顔がいなくり、新しい顔の人が立っている。四月が来たと思う時である。