なんじゃもんじゃ
【自解・萩原7】
「内定やなんじゃもんじゃの花白し」
「長男耕平就活」の前書き。2012年の就活は学生に大変厳しいものだった。なんとか内定を貰い就職したが、苦労のイメージを「なんじゃもんじゃ」と取り合わせてみた。なんじゃもんじゃはヒトツバタゴの異名で、木曽川流域と対馬に自生するモクセイ科の落葉性高木。我が家の周辺では普通に見かける木である。
「終点が始発に変わる人の波」
名古屋駅でJR中央線に乗り換える。名古屋終点で列車が入ってきて、それがすぐ始発列車になる。降車の人波、次に乗車の人波ができる。繰り返される日常風景。無季の句。
「通勤路靴音のみが谺する」
これも無季の句。駅を出て会社へ向かう通勤路。通勤の会社員の人波。誰も喋らず、会社へと急ぐ。路面に靴の音だけが反響し谺する。
「夏雲や遮断機上がり歩きだす」
一番初期の句。上五の季語が決まらず、最終的に夏雲に落ち着いた。わきあがる入道雲のイメージに歩きだすを呼応させたたつもり。
「雨あがる紫陽花青く空盗む」
雨あがりのアジサイの色鮮やかなのは、青空の青を盗んだのではないだろうか。
記事のアップを間違ってしまい、連続記録は途絶える。
これは前日22日の分。