夏と花火と水泳と

【自解・萩原9】

「黒き空花火の雫しだれ落つ」

打ち上げ花火の光景。夜空に拡がった光輪は、しだれ桜のように地に落ちていき、やがて消える。

「赤き蛇身をくねらせて急ぎ消ゆ」

蛇を見かけることも少なくなった。小さな赤蛇と遭遇した。びっくりしたのは人間だけではない。蛇もあわてて全身をくねらせ、草むらに姿を隠した。

「沢蟹や赤冴え冴えと水流る」

川へ注ぎ入る水路が家の近くにあり、沢蟹もよく見かける。川の水が沢蟹の赤い甲羅を鮮やかに光らせ流れていく。

「最速へ泳ぐ腕の水しぶき」

北島康介が活躍していた頃。「最速へ」のフレーズが自分では気にいっている。「腕」は「かいな」と読んで下さい。

「紫の唇笑うプールの日」

小学校の頃を思い出して作った句。夏休みは、学校のプールへ通ったものでした。長時間プールで遊んでいると唇は紫色に変わりました。