寒鴉

【自解・萩原23】

「マフラーを巻きて季節を変えにけり」

マフラーを巻けば気分も変わる、季節も変わる。冬がやって来る。

「寒暁や青き灯ともす駐輪場」

駅の駐輪場はブルーライト。青色には犯罪抑止力があるとのこと。冷え込んだ朝の青い光は、一層寒さをつのらせる。

「落葉はく昨日のことは忘れたり」

落葉を掃いて、心の掃除。嫌なことは忘れるに限る。パソコンなら削除のキーを押せば足りるけれど。

「寒鴉朝から鳴ける風強し」

カラスが朝からうるさく鳴いている。理由は不明。風は強く吹いている。不安な一日の始まり。

「魁の雲の怒濤や冬の雨」

まもなく、雨が降りだすのだろう。灰色の雲がにわかに空を覆っていく。豪雨の予兆。魁は「さきがけ」で、先んじること。