除夜の鐘

【自解・萩原30】

「階段を幾つもの靴除夜の鐘」

虚子の句に「去年今年貫く棒のごときもの」があるが、階段も年と年をつなげているのかもしれない。階段を上っていく数知れぬ様々な靴。除夜の鐘が鳴り一年が終わる。

「半世紀五つを越えて御慶かな」

「初詣心静かに手を合わす」

「お正月日ざし温とし柔らかし」

以上三句は、2013年の年賀状に使ったもの。2013年に55歳となり、役職定年を迎えた。

「年新た極楽へ行くバスに乗る」

俳句を「極楽の文学」と呼んだのは、高浜虚子。これは俳句をやるぞという決意表明の一句。
極楽は名古屋市に実際の地名があります。岐阜県明智鉄道にも極楽駅が存在します。

句集萩原の「2012年」に掲載した150句全てを紹介した。これに、すでに発表済みの「俳句仕立 ゴドーを待ちながら」の20句が、2012年に制作した俳句である。