横綱大鵬逝去

【自解・萩原34】

「ストーブの芯赤らんで火照るなり」

石油ストーブに点火すると、芯が赤らみやがて真っ赤になる。暖かいから熱いと感じるようになり、顔が火照つて気持ちも昂る。

「鵬(おおとり)は天に飛び立ち冬茜」

横綱大鵬ゆく」の前書き。歴代の横綱大鵬ほど横綱らしい横綱をしらない。記録も人間性も素晴らしい、名前を生き抜いた大横綱だった。

「用済みのカイロ冷たく固まれり」

使い捨てカイロを詠んだ句。使い捨てされるものは、カイロだけではない。雑誌『俳句』に佳作入選した。

「寒晴やコンビナートと鉄塔と」

「冬の空煙真横にたなびけり」

四日市を通過したときに、街の風景を見て作った。四日市は、本当にコンビナートと鉄塔が何本もそびえ立つ街である。風が強い日で、コンビナートから吐き出される煙が真横に流れていた。