蘭鋳・琉金・出目金

【自解・萩原46】


「子の机そのままにあり夏に入る」

大学へ進学した子供たちは、順番に家からいなくなった。子供部屋の机はそのままにしてある。季節は夏へ移った。

「石鹸玉次から次へ失踪す」

シャボン玉とんだ。屋根までとんだ。屋根までとんで、こわれて消えた。シャボン玉のその後は知らない。

「いきなりの面一本取られたり夏」

「ウ~ン、やられた」という感じを俳句にしてみました。

「蘭鋳が口パクパクと喋り来る」
琉金は今日も一日火事である」
「出目金は驚いている鰭もふり」

「金魚三句」の前書き。三種類の金魚の様子を楽しい俳句に仕立てようとトライした。