雨蛙
【自解・萩原47】
「掛声をせえのと揃え御輿上ぐ」
祭の御輿を「せえの」と掛け声を揃えて持ち上げる。世の中にある持ち上げられた無数の御輿、そしてその担ぎ手。
「夏電車女座りて足を組む」
夏の電車に乗車してきた女は、座席につくなりおもむろに足を組んだ。昔は女性が足を組んで座ることなど無かったが、今はありふれた風景。
「天上は濡るることなし梅雨に入る」
梅雨に入り雨が降っている。雨雲の上にある天界は、濡れず晴れ渡っているのだろう。
「ガラス窓はりついたまま雨蛙」
ガラス窓に雨蛙発見。じっとして動かない。何を考えているのか。