茄子の花
【自解・萩原59】
「マル書いて日記は終り茄子の花」
句点(。)を記して、日記は取り敢えず終了。日常の時間は途切れず、のたりのたりと流れていく。ありふれた毎日の連続を茄子の花に取り合わせた。
「濡れて在りもの皆静か夕立後」
夕立の後の、なにもかも濡れて静かにそこにたたずんでいる風景が好きだ。
「花火消え白き煙の河原かな」
花火大会の花火が打ち上げられた河原は、白煙がもうもうと立ち込め何も見えない。
「逆上り出来ぬ鉄棒夕焼けて」
鉄棒は苦手だった。逆上がりもなかなかできず苦労しました。鉄棒というと夕焼け空を連想する。
「黒動く糧運ぶ蟻忙しく」
地面を黒色が動いている。獲物を巣に運ぶ蟻の群である。せわしく蟻は今日も働く。