小沢昭一週間(3日目)

小沢昭一が四十余年で詠んだ約4000句が収録されているのが句集『俳句で綴る変哲半生記』。岩波書店から2012年刊行された。
変哲追悼エッセイが収録された『友ありてこそ五・七・五』(東京やなぎ句会編)も、同じく岩波書店から2013年に出版。


「春の日にそっとしてみる死んだふり」

そういうことはある。あくまでも、ふりです。

「行秋や紆余曲折を経し猫背」

猫背にもなるさ。背中の荷物が重い。

「夜もすがら雪は差し足忍び足」

そろり、そろりと降り積もる。

「蓋とれば去年の顔の武者人形」

そして今年も蓋をする。