2014-06-14 久保田万太郎 食の句 久保田万太郎は、食べ物の俳句を沢山作った人でもある。戸板康二の選んだ句は、「もち古りし夫婦の箸や冷奴」「ごまよごし時雨るる箸になじみけり」「まぎれなき雪の絲ひく納豆かな」「煮大根を煮かへす孤独地獄かな」「人情のほろびしおでん煮えにけり」「湯豆腐やいのちのはてのうすあかり」私の好きな俳句は、「パンにバタたつぷりつけて春惜しむ」「ばか、はしら、かき、はまぐりや春の雪」「たけのこ煮、そらまめうでて、さてそこで」「みかん剥く指に寒さの残りけり」「冷麦の三箸がほどの涼しさよ」「鮟鱇もわが身の業も煮ゆるかな」