十三夜

【『萩原』以後(3)】

片山由美子対談集 俳句の生まれる場所』『海と竪琴』(長谷川櫂)読了。どちらも川崎展宏の部分が興味深かった。


「鼻水も蕎麦もすすりし十三夜」


十三夜は、陰暦九月十三日の月。吹く風が肌寒く感じられる頃。夜の駅ホームで立喰い蕎麦を、鼻水をすすりながら食べる。


「群鶇北の波濤を越え来たる」


ツグミは渡り鳥、わが地方には10月後半から11月に大陸から飛来する。今は禁止されているが、貴重なタンパク源として、山中の鳥屋(とや)とよぶ小屋でカスミ網をはり、盛んに猟が行われた。著名な俳人達により、中津川・恵那辺りの鳥猟の俳句が沢山詠まれている。