冬薔薇

【『萩原』以後(21)】


「ゼロ指して皆定まれり紅葉落つ」

「心拍の止まりて涯(はたて)冬薔薇」


叔母が肺炎で亡くなった。74歳だった。


「七人を送りて一人冬に入る」


叔母がなくなり、母は八人の兄弟姉妹の最後の一人となってしまった。