禿げ犬

【『萩原』以後(23)】


「ところどこ禿げ犬となり年の暮」


犬にもストレスはある。部屋飼いをしているが、鼻筋の毛が抜け落ち、てれてれに禿げている。最近は、脇腹の同じ箇所を舐め続けて脱毛してしまった。原因不明だが、ストレスをかけたのは申し訳ないと思う。


「足首をつかまれしごと今朝の冷え」


朝夕の冷え込みのきつい地域に住んでいる。山を越えた隣町である岩村町は寒暖差を利用して寒天を作っている。この日は寒く、ぎゅっと足首を掴まれたように冷え込みが厳しかったのだ。