どこでもドア

【『萩原』以後(25)】


「黄泉よかる誰も戻らず冬銀河」


死者のゆく冥土を黄泉(よみ)という。黄泉の世界というのは余程素晴らしい所なのだろう。そこへ行って帰って来た者は、今だかつて誰もいない。


「どこでもドア開けに行こうか掛布団」


「どこでもドア」は「ドラえもん」に出てくるツールである。ドラえもんはわが家にいないので、願望をかなえるために、掛布団をかぶり夢の世界へ行く。