無言劇

【『萩原』以後(29)】


「五線譜を跳ねて躍りし車海老」


生きている車海老が、海水から出され跳ね躍る。その下に五線譜を入れてイメージしてみる。音楽をしているわけではなく、命の条件反射。いきなりのフォルテシモ !


「寒カラス羽根閉じ歩く無言劇」


カラスが地に降り立ち、羽根を閉じて二本足で歩いている。黙々と黒い姿が歩く様は、まさに渋い俳優のようである。