白い吊り輪

【2014年(10)】


「年明くる白い吊り輪のならびたる」

大寒や西天白き朝の月」


冬のイメージ色は何と聞かれたら、「白」の回答が圧倒的多数を占めるのではないか。雪から連想する白色が冬を象徴的に表している。白色は、暖かさを感じる色ではなく、限りなく冷たさを連想させる。
電車の車両に並ぶ白い吊り輪、朝方の西に残る白い月、白色の風景に寒さがさらにつのる。