虚子探訪(74) コレラ

【虚子探訪(74)】

 

コレラ怖(お)じて綺麗に住める女かな」

コレラ舟いつまで沖に繋り居る」

コレラの家を出し人こちへ来りけり」

 

大正3年7月5日。虚子庵例会。「コレラ」は夏の季語である。コレラコレラ菌によっておこる急性胃腸炎。菌に汚染された水や、加熱不十分な魚介類の飲食により感染する。日本で最初にコレラが発生したのは江戸時代で、安政の1858年から3年にわたり大流行した。明治時代もコレラは猛威をふるい、明治12年と明治19年には死者数は10万人を超え、日本各地に避病院が設置された。コレラ患者が出ると検疫のために40日間沖に留め置かれる。この船を俗に「コレラ船(舟)」と呼んだ。

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