虚子探訪(87) 天智天皇

【虚子探訪(87)】

 

「天の川のもとに天智天皇と虚子と」

 

大正6年10月18日。筑前太宰府に至る。同夜都府楼址に佇む。懐古。天智天皇と虚子自身を並列に並べている。「虚子と」は「臣虚子と」に後日変更された。明治人の臣民の意識は、現在の者には解りにくくなっている。虚子は何を思ったのだろうか。

 

「秋の灯に照らし出す仏皆観世音」

 

大正6年10月18日。観世音寺に詣づ。秋の夜、燈明に照らし出された仏像が並ぶ観世音寺。幽玄な世界。