虚子探訪(88) 耶蘇

【虚子探訪(88)】

 

「何の木のもとともあらず栗拾ふ」

 

大正6年10月19日。福岡第二公会堂に於て。何の木なのか名前も知らないが、その下で栗を拾ったよ。どこからこの栗は来たんだろうね。

 

「今朝も亦焚火に耶蘇(やそ)の話かな」

 

大正7年?或は大正6年か。今朝も焚火を囲んでの話題はキリスト教のこと。この当時は、西洋の新知識としてキリスト教も目新しく重要な関心事だったのだろう。