虚子探訪(89) 立春

 

【虚子探訪(89)】

 

老衲火燵に在り立春の禽獣裏山に」

 

「老衲」(ろうのう)は僧侶の自称。坊さんはコタツにいるよ。立春の今日、冬眠から目覚めた動物たちは裏山にいるよ。立春陽暦2月4日頃。暦の上で春が始まるとされる日である。

 

「雨の中に立春大吉の光あり」

 

大正7年2月10日。発行所例会。会者、京都の王城、所沢の俳小屋、青峰、宵曲、一水、雨葉、しげる、湘海、岫雲、みづほ、霜山、今更、たけし、鉄鈴、としを、子瓢、夜牛、石鼎。

雨が降る中にも立春大吉のめでたい光を感じるなあという句意。