虚子探訪(92) 牡丹

【虚子探訪(92)】

 

「船にのせて湖をわたしたる牡丹かな」

 

大正7年?或は7年以前なるべし。牡丹の花が船にのせられ湖上を運ばれていくよ。珍しく、また美しい光景。

 

「夏草を踏み行けば雨意人にあり

 

夏の草をふんで歩いて行く。おや、雨が降り出しそうだなと思った。それとも、この雨意というのは、心の状態をいあらわしていて、不安な予感をしめしているのだろうか。