虚子探訪(98) 扇

【虚子探訪(98)】

 

「昼寝せる妻も叱らず小商(こあきない」

 

大正8年。小さな商売をしている主人が仕事の休憩で昼寝をしているのである。主人がよく働いて大変なことを知っているから、妻は、昼寝を叱ることなく静かに寝かせてやるのが、主人へのいたわり。

 

「扇鳴らす汝の世辞も亦よろし」

 

扇をパチリと鳴らして喋る、君の御世辞もなかなかいいよ。上手いもんだ。

 

「我を指す人の扇をにくみけり」

 

大正8年。扇を使って俺を指さすな、憎ったらしい奴め。

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