虚子探訪(105) 新涼

【虚子探訪(105)】

 

「新涼の月こそかかれ槙柱」

 

大正11年8月31日。川崎俳句会主催新涼句会。大師内渉成園。会するもの、鳴雪、楽天、温亭、普羅、野鳥、風生、橙黄子等。

「新涼」は立秋以後の実際に感じる涼しさをいう。槙の柱の向こうに月がでているよ、涼しくなっていよいよ秋だね。

 

「日覆(ひおおい)に松の落葉の生れけり」

 

大正12年6月28日。風生渡欧送別東大俳句会。発行所。上京中の泊雲出席。

日除けの覆いに松の落葉が見られるようになった。秋も深まってきたなあ。