虚子探訪(115) ロシア町

【虚子探訪(115)】

 

「水鳥の夜半の羽音やあまたたび」

 

大正13年11月。清原枴童上京偶会。発行所。水鳥の立てる羽音が夜間に何回も聞こえたことだ。

 

「北風や石を敷きたるロシア町」

 

大正13年11月30日。鮮満旅行より帰京歓迎句会。上野花山亭。集まるもの温亭、石鼎、雉子郎、花蓑、秋桜子、青邨、たけし等。

この句のロシア町はハルビンのこと。平原からの北風が舗道に石を敷き詰めたロシアの町に吹き渡る。寒々とした光景。