虚子探訪(117) 干菜
【虚子探訪(117)】
「ばばばかと書かれし壁の干菜かな」
子供が「バババカ」と干菜を使って文字を作ったのだろう。壁一面の干菜にその文字を発見したのである。
「灯のともる干菜の窓やつむぐらん」
干菜がつるされた窓には灯りがともされ、女たちの機織りの仕事が始まるのである。
「庫裡を出て納屋の後ろの冬の山」
大正14年1月16日。発行所例会。大阪の木国、新潟の今夜、みづほ、他に鳴雪、温亭等。
庫裡をでてみれば、納屋の後ろには冬の山が一面に広がっている。