虚子探訪(119) 草摘

【虚子探訪(119)】

 

「草摘(くさつみ)に出し万葉の男かな」

 

草摘みというと、『万葉集』の時代を連想する。万葉の男は、風雅を愛する男である。

 

「草を摘む子の野を渡る巨人かな」

 

大正14年3月。草を摘む子供も、視点を変えれば巨人と見ることもできる。虚子は、「巨人」という言葉のイメージが好きだったのだろうな。他にも「年を以て巨人としたり歩み去る」の句がある。