虚子探訪(128) 月見草

【虚子探訪(128)】

 

「唯一人船繋ぐ人や月見草」

 

大正15年6月23日。発行所例会。一人で舟を岸に係留する作業を黙々とする人がいる。その傍らには月見草が咲いている。一幅の絵のような句。

 

「古蚊帳の月おもしろく寝まりけり」

 

大正15年6月。古い蚊帳に入り見上げる月は、興趣があるなあと思っているうちに寝てしまったことだ。