虚子探訪(135) 籔

【虚子探訪(135)】

 

昭和時代のスタートです。

 

「籔の穂に村火事を見る渡舟(わたし)かな」

 

昭和2年1月。渡し舟に乗っている作者は、舟の進む岸辺の籔草の間からもれる村火事の炎を見たのである

 

「籔の池寒鮒釣のはやあらず」

 

あ昭和2年1月20日。発行所例会。31日、次男池内友次郎、横浜出帆の筥崎丸にて仏蘭西遊学の途につく。

籔の茂る池で、ついこの間まで行われていた寒鮒釣りが、早々と無くなっていた。まもなく1月は終る。春の到来が近い。