虚子探訪(144) あやめ

【虚子探訪(144)】

 

「なつかしきあやめの水の行方かな」

 

 久しぶりに見たアヤメは昔と変わらぬ美しい姿で咲いておりうれしい気持ちにさせてくれる。アヤメの咲いている水は、どこへ流れて行くのだろう、変わらぬアヤメの美と、過行く時間を水に感じて。

 

「よりそひて静かなるかなかきつばた」

 

昭和2年7月。群生するカキツバタ。寄り添って咲いているようだと作者は見た。静かな時間が流れて行く。