虚子探訪(147) 清閑

【虚子探訪(147)】

 

「遅月の山を出でたる暗さかな」

 

昭和2年8月16日。夕。京都に至り、加茂堤に大文字を見る。「遅月」は秋の季語。月が山から出て姿を見せたが、あたりは一面暗い秋の夜。

 

「清閑にあれば月出づおのづから」

 

昭和2年9月。退官せし前の横田大審院長招宴。挨拶句、上手いものです。