虚子探訪(154) ゆすらうめ

【虚子探訪(154)】

 

「川船のぎいとまがるやよし雀」

 

昭和3年6月。川r船がギイと音を立てて方向を変えて曲がる。その音におどろいたのか、川岸の葭のあいだから雀が飛び立った。

 

「姉妹(おととい)や麦藁籠にゆすらうめ」

 

昭和3年7月14日。婦人俳句会。姉妹の麦藁籠には、ゆすら梅の花をつけた枝が入っている。ほのぼのとした美しい情景が浮かぶ。