虚子探訪(155) 新涼

【虚子探訪(155)】

 

「新涼や仏にともし奉る」

 

 昭和3年9月16日。子規俳句会。題龍寺。18日、石井露月逝く。

仏前に灯を点しお参りする日々の営みに、今日は新涼を感じたのである。季節の変わり目の体感を詠んだ。

 

「ふるさとの月の港をよぎるのみ」

 

 

旅の途中、松山を過ぎる。故郷の高浜港は、松山より一時間。月あかりに、遠く見るのみ。