虚子探訪(161)大根の葉

【虚子探訪(161)】

 

「流れ行く大根の葉の早さかな」

 

昭和3年11月10日。九品仏吟行。あまりにも有名な一句。多摩川を大根の葉が流れてゆく。一瞬の出来事に、この世界の実相を感じ取ったのである。

 

「寒き風人待ち来る暖炉かな」

 

昭和3年12月。外は寒い風が吹き荒れ、家の中にある暖炉が暖かく人を迎え入れてくれる。