虚子探訪(164) 花見船

【虚子探訪(164)】

 

「眼つむれば若き我あり春の宵」

 

昭和4年4月。眼を閉じれば若かりし自分が思い出される。裏返せば、もう若くない自分を自覚しているのである。

 

「漕ぎ乱す大堰(おおい)の水や花見船」

 

昭和4年4月8日。渡月橋の上手より舟を傭ひて遡上。保津川をさかのぼり船で花見と洒落込んだ。