虚子探訪(167) 石ころ

【虚子探訪(167)】

 

「病身をもてあつかひつ門涼み」

 

昭和4年7月16日。安田句会。病気療養中の身であるが、門に出て涼んでいるのである。「もてあつかひつ」などといわれると、随分突き放したように自分の肉体を見ているのかなと思う。

 

「石ころも露けきものの一つかな」

 

昭和4年8月19日。風生電気局長就任。京童帰朝、祝賀会。折柄ツエツペリン伯号来る。

「石ころ」を露けきものと分類したところがミソだと思う。石ころを俳句に詠もうというのが凄いね。