虚子探訪(168) 双六

【虚子探訪(168)】

 

「藪の穂の動く秋風見てゐるか」

 。

昭和4年10月10日。七宝会。鎌倉浄明寺、たかし庵に於て。

藪の中の穂が風に揺れている。すっかり秋の気配となったなあと感じているのである。

 

「子供等に双六まけて老の春」

 

昭和5年1月5日。鎌倉俳句会。極楽寺、寿水庵。

双六はお正月の遊び。子供たちと一緒に遊んでまけてしまった。楽しそうな情景が眼に浮かぶ。「老の春」は新年の季語。