虚子探訪(171) 落書

【虚子探訪(171)】

 

「落書の顔の大きく梅雨の塀」

 

昭和5年6月29日。玉藻句会。真下邸。

屋敷町のとある塀に描かれた大きな顔の落書。露の憂さをはらす小さな発見。

 

「這入りたる 虻にふくるる花擬宝珠」

 

花のつぼみの中にアブが入り込んで大きさを増し、まるで擬宝珠みたいになっている。