虚子探訪(179) 山吹

【虚子探訪(179)】

 

「植木屋の掘りかけてある梅一輪」

 

昭和6年4月17日。家庭俳句会。矢口村、新田神社。植木屋にある掘りかけの梅の木。移植の途中の梅に思いを寄せて、見たままの景を句にした。

 

「川波に山吹映り澄まんとす」

 

昭和6年4月22日。丸之内会館。金春惣右衛門にはじめて句を教ふ。

川面に山吹の花が映り、清流はいよいよ澄んで山吹の黄色が鮮やか。