虚子探訪(180) 端居

【虚子探訪(180)】

 

「早苗とる水うらうらと傘のうち」

 

昭和6年5月16日。丸之内倶楽部俳句会。第1回。

早苗捕りの作業をする人の笠の内側に、水面に反射した日の光が明るくのどかに輝いている。

 

「つくばひのよく濡れてをる端居かな」

 

昭和6年6月16日。水無月会大会。安田銀行

家の軒下を通る燕のよく濡れていることよ。梅雨の時期の燕はどこを飛んできたのか、全身が濡れているのである。