虚子探訪(188) 明治節

【虚子探訪(188)】

 

「慟哭せしは昔となりぬ明治節

 

昭和6年11月13日。東大俳句会。丸ビル集会室。

明治という時代に対する深い思い入れが当時の人にはあったのだろう。明治時代は大変化の時代であり、日本は根底から揺さぶられたのである。乃禾大将の殉死という事件もあった。漱石の「こころ」の先生も思い出される。

 

「初鶏や動きそめたる山かづら」

 

昭和6年11月14日。新聞聯合特信部の依頼。

鶏鳴空に響けば、「山かづら」は山の端にかかる暁の雲、それも動くかと思う新年。めでたし。