虚子探訪(195) 長閑

【虚子探訪(195)】

 

「花の雨降りこめられて謡かな」

 

昭和7年4月12日。京都石田旅館にあり。安倍、和辻両君来り、謡二番。

雨天につき安倍能成和辻哲郎謡曲、豪華なキャストである。

 

「山寺の古文書も無く長閑なり」

 

昭和7年4月16日。蜻蛉会。西山十輪寺吟行。

京都の十輪寺に桜を見に行った時の句。古文書などこれといった寺宝もなく、ただ長閑で静に時間が流れていくばかりである。