虚子探訪(196) 聾青畝
【虚子探訪(196)】
「結縁は疑もなき花盛り」
「結縁」は、仏道にはいりやがて往生することができるきっかけを得ること。まちがいなく大往生できる、それほどに素晴らしい満開の桜。
「聾青畝ひとり離れて花下に笑む」
昭和7年4月19日。木 会。大阪倶楽部。
この句に詠まれているのは、4Sの一人阿波野青畝である。阿波野青畝は耳が悪く、難聴であった。
虚子にこんな句を作ってもらい、青畝の感激はいかばかりであっただろうか。青畝がその後素晴らしい俳句作家となったことは誰もが知っている。