虚子探訪(198) 釣忍

【虚子探訪(198)】

 

「夏草に黄色き魚を釣り上げし」

 

昭和7年6月5日。武蔵野探勝会。石神井、三宝寺池。

池の周りには夏草が生茂りそこで釣りをしている人がいる。釣り上げられたの羽一匹の鮒。黄色の腹をみせ草の上に飛び跳ねる。

 

「自ら其頃となる釣忍」

 

昭和7年6月21日。水無月会。丸ノ内、安田銀行

「釣忍」は忍草を束ねて軒先に吊るせるようにしたもの。水を遣って涼味を楽しむ。夏の暑いころには、自然に釣忍が涼し気な様子を見せるというのである。