虚子探訪(206) 小笹原

【虚子探訪(206)】

 

「雪解くるささやき滋(しげ)し小笹原(おざさはら)」

 

昭和8年1月27日。鎌倉俳句会。

小笹の原っぱが続く。雪が解けて雫の音がやまない。その音が春を感じさせ滋味豊かな響きだというのである。

 

「紅梅の莟(つぼみ)は固し言(ものい)はず」

 

昭和8年2月22日。臨時句会。発行所。

虚子の『喜寿艶』の自解、「紅梅の莟が固い。恰も女の口を開かぬやうに」。