虚子探訪(214) 夜学

【虚子探訪(214)】

 

「燈台は低く霧笛は峙(そばだ)てり」

 

昭和8年8月23日。釧路港。此夜、釧路港、近江屋泊。

釧路燈台とその横に立つ霧笛を詠む。海霧の濃い北の海。むせびなくような霧笛の鳴る音。

 

「一筋の煙草のけむり夜学かな」

 

昭和8年9月29日。草樹会。学士会館

夜学生が吸う煙草の煙が一筋上がっている。疲れた身体へ安らぎの一服。