虚子探訪(229) 初詣

【虚子探訪(229)】

 

「神近き大提灯や初詣」

 

昭和10年1月1日。未明。明治神宮初詣。

『玉藻俳話』には「昭和10年1月1日といってもその前夜、冷たい雨の中を明治神宮へ除夜詣にゆく。灯の入つた大提灯を美しいと思ひながら静かな心持で参詣し、次第に数の増して来た燃え立つ篝の中を帰つて行つた。」とある。

 

「巫女舞をすかせ給ひて神の春」

 

奉納の巫女の舞う姿のむこうに、透けるように見えるのは神様が与えてくださる春、おめでたきかな新年。