虚子探訪(241) 『五百句』ベスト20(上)

【虚子探訪(241)】

 

 『五百句』の中より、私の好きなベスト20を選んでみた。

 

明治時代より3句。

遠山に日の当りたる枯野かな

桐一䈎日当りながら落ちにけり

亀虫擲つ闇の深さかな

 

大正時代より7句。

一つ根に離れ浮く䈎や春の水

木曾川の今こそ光れ渡り鳥

蛇逃げて我を見し眼の草に残る

能すみし面の衰へ暮の秋

天日のうつりて暗し蝌蚪の水

白牡丹といふといへども紅ほのか

大空に伸び傾ける冬木かな